スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Verdi "La Traviata" / Antonio Pappano , Royal Opera @ NHK Hall

ロイヤル・オペラ・ハウス、つまりコヴェントガーデンと言われているイギリスの国立オペラの引越し公演を見に行った。18年ぶりの来日公演らしい。コヴェントガーデンは、昨年、メッツマッハーの振るコルンゴルトの「死の都」を見に行き、主役のナージャ・ミヒャエルの声と共に満足したが、監督のパッパーノの実力が知りたくてチケットを購入した。今回の引越し公演は、2演目でマスネの「マノン」と「椿姫」。マノンは、主役がネトレプコ。椿姫は主役がゲオルギューで、ジェルモンパパがサイモン・キーンリサイド。ゲオルギューはあまり興味がなかったのだが、キーンリサイドは生で聴いてみたかったのと、ネトレプコだけで「マノン」にトライするのはちょっと厳しいかなと思い、椿姫を選んだ。あんまり好きなオペラではないのですが仕方がない。この来日公演は、どちらも4公演ずつで、全公演を音楽監督のパッパーノが振る。加えて特別演奏会のメサイアもパッパーノ。仕事のスケジュールを見ながら22日のNHKホールのチケットを入手した。NHKホールの3階席だが高い。
ところが、8月の段階で主役を歌うゲオルギューが娘の手術に立ち会うためという理由でキャンセル。ヴィオレッタは代役のエルモネラ・ヤオという歌手になった。彼女は2008年にコヴェントガーデンでネトレプコの代役でヴィオレッタを歌って評判だったのだそうだ。まあパッパーノとキーンリサイドが目当てなので残念だなぁ、程度の気分だった。
一方、マノンで歌うネトレプコは本当に来るのか?とキャンセルするんじゃないのか、ROHの客寄せ時じゃないのかとネットでも評判で、招聘
元のBlogに来日して衣装合わせする写真が出た途端、ネット上では安心する雰囲気になっていた。
さて9月12日、椿姫の1回目の公演で事件が起こった。代役ヤオの調子がとても悪く、全然声が出ていなかったそうだ。そして第2幕からアイリーン・ペレスという代役の代役が登場して最後まで歌ったらしい。しかもペレスの方が全然いいという評判。ヤオはアレルギーで調子がわるいという説明だった。続く16日の第2回公演は、ヤオが登板。また第2幕からチェンジか?と思ったら、最後まで歌ったそうだ。まあまあのデキだったそうだ。そして19日の第3回公演、当然ヤオが出てきますが、また第1幕はひどい出来で、またもや第2幕からペレスの登場となりました。もうどうなっているのかと。ペレスはそこそこいいらしく、第1幕から出せばいいんじゃないのかという評判。このあたりから、22日はNHKの収録があるという話と、22日はネトレプコがヴィオレッタを歌うという噂が流れはじめた。まあ、そんなこともあるかもしれんが、20日のマノンはネトレプコが当然歌うわけだし体力的にムリムリ。うわさうわさ、、と思っていたら、昨日21日にNBSが「22日の椿姫はネトレプコが歌います」と発表。世間は大荒れ(?)。
17時からの公演のためNHKホールに行くとなんとダフ屋が出ている。ここで初めて主役を誰が歌うか知ったという人も多いようだった。客層は不思議な感じ。あんまりオペラ聴かなさそうな人も多くマナーが悪い。
さてネトレプコ、さすが。プロンプターなしで歌いまくり。出だしは怪しかったものの、素晴らしい声だった。さすがに第1幕最後の聞かせ所(椿姫が面白いところはここしかないよね…)は、控えめに終わらせていました。声だけでなく、演技もいい。ロシア人だから仕方ないですが、太り気味と言われる体型は衣装のおかげでなんとか隠せていたし、色気もある。オーラが違った。なので、第3幕では、「ほんとにこの後死ぬんか?死ぬ死ぬ詐欺でかまって欲しいだけなんじゃないのか?」という雰囲気の歌と演技でした。パワーありすぎ。しかし、中1日でこの歌。プロンプターもなし。ヴィオレッタは2年くらい歌っていないそうだ。歌手としては上出来じゃないですか。
アルフレードを歌うジェームズ・ヴァレンティは、そこそこの声と、美男子さと、いい男な立ち振る舞いで、見栄えは良かったです。父ジェルモンのキーンリサイドはさすがでしたが、ちょっと不調だったようで1ヶ所大きく声がかすれていました。あんなミスをするとは思わなかったので意外。落ち着いているし、演技も貫禄はあるのだけど、実際の若さとキーンリサイドのイメージにギャップが。ハンプソンだとそんなこと思わないんだが。しかし、キーンリサイドとネトレプコだけで満足。
これにきっちり付けていくのがパッパーノ。彼の指揮は巧くてそつがない。第1幕の出だしはネトレプコ同様不安定だったが、前に出たり、歌手につけたりするタイミングが絶妙だった。今、聴いて安心出来るオペラ指揮者の一人だ。ちなみにパッパーノ、ロンドン生まれのアメリカ育ち
だそうで。オーケストラの音は、昨年聴いた時と同様、筋肉質で色気のない乾いたサウンドだった。イタリアものならもうすこし艶があってもいいんですが。
しかし、これ以上の椿姫があるのかと考えると、そうも思えず、充分満足した。もう当分このオペラは見なくていいし、下手なものを見て、
この公演のイメージを消し去るのはもったいない。今後、ネトレプコがヴィオレッタを歌う可能性も低いわけだし。22日の公演を見た人は大満足なわけだが、ヤオの日を見た人からすればふざけるな、な事件だ。
さて、死にそうにないヴィオレッタが倒れて、幕になるわけだが、カーテンコールのあと幕が再度上がると「日本公演成功おめでとうございま
す」の釣り看板と「SAYONARA」と書かれた電飾入りの看板。NBS、こういうのだけは準備がいい。スタッフ総出でステージ上にあがり、指揮者や歌手は大喜び。楽日にこれだけ完成度の高いものが提供できれば満足だろう。ネトレプコも、大はしゃぎでステージ上を飛び回った挙句、袖から普段着のヤオを引っ張り出してステージ上にあげていた。とてもさっき不幸に悲しみながら死んだとは思えないテンションで。ROHのサイトには22日の公演をNHKが収録すると書いてありましが実際にカメラはなく、本日1日だけのお楽しみとなったようだ。

コメント

非公開コメント

Profile

Shinya Takeuchi

Twitter
Follow Me!
shinyatakeuchiをフォローしましょう
Calender
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
Monthly Archives
Category
Visitor
Search in my logs
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。